歴代ピクミンの個人的評価

基本的にはプレイヤーキャラがピクミンというユニットを使ってゲームを進めるゲームだが、私はピクミンに対して親しみや愛情のような感情を捨てるようなプレイが出来ないところに苦悩するゲーム。

ファミコンウォーズとかなら歩兵が死んでも

「彼らは占領し部隊の資金供給を増やし、道を切り拓いたんだ」

と思えるのだが「親しみや愛情」これらの感情がユニットに加わると、彼らの命を奪った者に対して悲しみ、悔しさを通り越して、憎しみに達してしまうので精神的に非常に重いゲームと個人的にはカテゴライズされている。

※FEはやったこと無いんですが、任天堂ってプレイヤーが大切に思ってるものを奪うことが

 楽しいと思ってるところがある気がするので、手を出さないようにしてます。

 

 

ピクミン初代について

初代は基本的にソロプレイに調整されたバランスだと思う。
まずピクミンというものを知るということが、大前提にされたバランスのような感じがする。

初見で制限時間内にクリア出来ても出来なくても、一度やったマップをもう一度プレイするときは、誰でもある程度段取りを作れる。
その段取りが上手く行ったときが楽しい。

個人的に段取りって段取りを組むための情報がどれくらいあるかで、段取りを組めるか組めないかが決まると思っている。
初見のエリアはまず歩くことから始めないと段取りを決めるための情報が集まらない。

ジャンルが違うがFPSが上手い人は良くマップを歩くと聞く。有利なポジションを見つけたり、相手から見て意外なポジション(所謂オフアングル)を探すことから始めるらしい。

ピクミンにそんな複雑な要素はないが、共通するのは情報集め。そこから段取りをいくらか決め、何度もチャレンジして最適化していく。

しかし基本的に一人用のゲームのため、余程はまった人でないと何十周、何百周は出来ない。

私が5年ほどプレイしていたOverwatchは数えるのを断念するくらいには同じマップを周ったが、他人と競うタイプのゲームではないゲームだと流石にそこまで気持ちが持たないのが、ピクミンのやり込みが圧倒的に少なくなる点かもしれない。

しかし他人と競うのは非常に疲れるし、負けて楽しいと思うことはほとんどないので、自分の満足できるところまでで終わらせるのが無難だろう。

 

ピクミン2について

ピクミン2は仲の良い一緒にゲームをプレイしてくれる人向けな感じがする。
ピクミン2は個人的にもっとも嫌いなタイトルだが、困難を2人以上の他人と一緒にプレイすることは楽しいことだと思う。

古い思い出だが、スーパーマリオを友だちの家で5人くらい集まってプレイしたときなんかは、難しいステージほど「次やらせて」「俺にも次やらせて」なんてのが普通だった。

ゲームはファミコン以降、一人でやるのが普通になっていった。しかし高難度のゲームほど同じ空間で一緒にプレイするというのはとても楽しく、かけがえのない思い出になると思う。

今の時代は配信をするホスト役の人のプレイを見ながらチャットで応援したり、ときにはちゃちゃ入れしたりするのが当たり前になってしまって「次やらせて」「俺にも次やらせて」が出来ないのが、なんだかゲーム体験を苦痛にしているだけの気がする。

私が30分程度でリタイアしたエルデンリングも、仲間たちで集まって「次やらせて」「俺にも次やらせて」が出来てたら、私はもっと先までプレイできたのかもしれない。

オンラインで擬似的体験が出来る時代にはなったが、やはり同じ場所に集まって困難に対して、友人、家族、夫、妻と立ち向かうのは楽しい思い出になると思う。

ピクミン2は二人のキャラクターを一人で操作するよりもアイスクライマーや、レッキングクルーのような協力してプレイすることが一般的には向いて居たんじゃないかなと思う。

ボリュームについては2のように1の3~4倍も一周にかかるゲームは周回プレイをする楽しさに乏しい。
ピクミンが勇者のくせに生意気だみたいに、ピクミンの死によって、新しい特性を持ったりする1になかった成長要素があれば、2も次は違う育て方をしようとか、ただでさえ2はピクミンの死を防止するのが非常に困難だったため、ピクミンの死をただ死として終わらせてほしくなかった。
長いなら長いなりに、次のプレイはまた違ったチームのビルドが出来るような仕様がほしかった。


ピクミン3DXについて

2で私が嫌いだったマップのつまらなさが一新され、1の良い部分を多く取り入れた作りになってた感じがする。
A地点とB地点をつなぐことで運搬のコストが下がるとか、ある程度マップ上にあるギミック同士がその先の効率化への関係性を取り戻していた感じがした。

エイムロックも加わり、正直ピクミンの良く分からないクロスヘアに悩まされる事もなくなった。

また2から3になって復活したメニューからのソフトリセットや、前のセーブデータからやり直す機能が復活したのは非常に良かった。
一日色々とやりながらも散策し、もっと良いルートが見つかったときに、気軽にやり直せるのは段取りを組みやすいし、修正も出来る。

果物を集めることにより、滞在日数が伸ばせるという仕様は、ゲームをゆとりをもって遊びたい、マップをのギミックやルートの最適化を、プレイしながら考えたいという目的に合っていて、オタカラよりも集めたときの安心感と達成感のようなものが感じられた。

またこのゲームのボリュームもちょうど良かった。
自然とTAにチャレンジしたくなるくらいが個人的には調度良いゲームだと思う。何より個人的TAは楽しい。
昔はバイオ1~3辺りまでを個人的にTAチャレンジして楽しんだものだが、自由に目標を決めやすいのは優れたゲームデザインと言えるのではないだろうか。
もちろんサンドボックス的なものも良いが、私は自分でどこまでやるかを決めることが苦手なため、このゲームは合っていたのだと思う。

ただ難点もある。現場監督であるプレイヤーキャラが3人もいる必要がなかった。
ゲーム内で3人で行けるところを探そう、と良く言われたが、ほとんどが3人使ったバケツリレーで、3人のプレイヤーキャラを使う要素としてはあまりにも貧弱だった。

複数のプレイヤーキャラを操作するシミュレーションゲームの場合、プレイヤーはそれぞれに「指示があるまで、この作業を続けてください」と指示しておけば放置して、メインで探索を進めるキャラクターに注視出来るのだが、私の感じるところ、任天堂の開発は基本的にプレイヤーが関わらない自動化を非常に嫌う傾向があるように感じる。
そのため、この3人というシミュレーションゲームとしてみた場合少ない人数でも、仕事を完全に任せきれない仕様が、逆にプレイヤーキャラが多すぎるという結果になったと思う。
ここは非常に残念だった。

まあ特定の資材を延々と集める要素がないので、3というナンバリングに因んで3人にしただけなのかなと。

あとはUIとキーバインドがユーザーのやりやすさを逆手に取っているように感じるところだろうか。
どうも任天堂はやり辛さを楽しさと考えてるのではないかと感じてしまう。自分たちの作ったもので、プレイヤーに苦労させたい、ちょっと嫌な思いもさせたい、そんな作り手の気持ちが伝わってくるような感じがすることが個人的にはあったので。やらせてる方は楽しいかもしれませんが。

 

ピクミン4について

Unreal Engineピクミンを違和感なく作ったのは凄いと思う。ゲームの開発をしたことがあるわけではないですが、昔Unreal Engineの使い方の動画なんかを見たときは、なんかホームページビルダーを始めて使ったときのような感覚に近いものを感じました。
故に今までコードを書いて持ち込まれた素体みたいなものを動かして確認していた開発者の方々は便利と思う面と、細かい部分の調整のやり辛さや勝手の違いに苦労したのではないかと。

グラフィック的にはUnreal Engineらしさや、Unreal Engineの得意な部分をよく表現出来ていて、任天堂の美術班(そんなのいるかしりませんが)的な方々の手腕の高さを感じました。

特にラスボスのわんこはUnreal Engineらしさが詰まった素晴らしいキャラです。

(これ本当に社内製なのかなと思うくらい出来が良い、と失礼なことを思うくらい)

個人的に昔親戚が飼っていたマルチーズに容姿もちょっと強気なところも似てて可愛いです。

 

ダンドリバトルは好成績を取るために、繰り返しプレイしたくなる内容で、楽しかった。


ゲームの内容としては非常に失礼な言い方になりますが、2の焼き直しといった印象が非常につよかったです。
3で追加されたエイムロックや3で1から復活した、メニューからのやり直しの仕様を引き継いだのはよかったのですが、地上のマップがつまらない。

2もそうだったのですが、障害一つをクリアするとそこにオタカラがあったり、洞窟があるだけで、他のエリアとの関連性や運搬にかかるコスト削減にあまり関与していない。
運搬のコストを削減するには拠点を動かすという新要素がその役割を担っているわけですが、なんかそれは全体的な移動の短縮に繋がっておらず、ひとつひとつが分断されている感が強かった。

あれを運ぶにはこっちに拠点を移したほうが速い、しかし他のものを同時に運ぶとなると、なんだか拠点はココではない感じが強かった。
このあたりがマップのつまらなさで強く感じた。

そして私が大嫌いな洞窟。
洞窟の難易度は2に比べると物凄く難易度下がってるんですが、洞窟のプレイ内容ってピクミンスーパーマリオをやらせたり、ゼルダの伝説をやらせたりしてるような感覚で、ルートの開拓に避けられない戦闘が付き物なのが嫌いな理由です。
パズル的な要素よりも戦闘に重きをおいてる感じで、私がピクミンで楽しいと感じるものとは逆のものなんですよね。
このあたりも2からの焼き直し感が強く、強力なエイムアシストが実装されたためか、敵の密度が非常に高くなっている部分も徐々に増えてくるのですが、このエイムアシストの癖が強すぎて、狙いたい相手を狙えないことも少なくなく、紫ピクミンみたいに少し外したほうが強いピクミンが上に乗っちゃって、他のピクミンに繋げ辛いことも多く感じました。

ピクミンの種類が多すぎる。
今までのシリーズに出てきたピクミン全て登場は豪華ではあるが、あまりにも限定的な使われ方が多かった印象。
新種に絞ってギミックの方向性を絞ったほうが良かったので無いかと。
(因みにコッパチャッピー居なかったのが残念ではある)

最大の追加要素であるオッチン。
ティアキンやった後だと、確かにフォロワーがここまで強いとなんじゃコリャになるなと。
ただまあ2でも最終エリア付近からはオリマーと社長パンチで雑魚を倒してきたことを思うと、このあたりも2を踏襲している感があった。

ボリュームに関して。
3はボリュームが少なくて駄作だったというレビューも見ましたが、4は長過ぎてTAする気になれない。
一日が終わるたびに微妙に長い会話が入ってきたり、ベースキャンプで話す人がどんどん増えたり、シザイをもらうために移動したりテンポが非常に悪い。
特に装備品は各地のマップに置くか、洞窟のボスから取れる仕様で良かったと思うし、建築に使う材料もマップに置いておくシステムで良かったと思う。

総評として全体的な難易度はシリーズのなかで最も低く、プレイ時間は最も長い。
ただ個人的には怠いと感じる部分が多く、この先には何があるんだろうとか、収集物のオタカラに価値を感じなかった。
またこの内容でティアキンとほとんど変わらないデータ容量なのは今後の作品に不安を感じる。
私個人としてはグラフィックは3くらいで調度良く、求めるのは操作のやりやすさと、システムの快適性(キーを押した時のレスポンスの良さや、ピクミンの挙動)を求めています。

戦闘を最優先にしていて、敵にエイムロックしてまで投げてるのに、運搬を最優先にする(キノコがあればそっちも戦闘よりも優先)ため部隊をまとめるのが非常に困難な事がある。
まあそれくらい敵が密集していて死骸として残るのが問題と思う。

ピクミンは戦闘以外を優先するのだが、4は特に戦闘の密度を上げてきている感じがするので、やはり任天堂はやり辛さを面白さと考えているのではないかという疑いの目を向けてしまう。

 

 

余談

ダラダラと書いてきましたが、要するに私は2がすごく嫌いで、2の要素がふんだんにある4は凄く簡単だが、長すぎて怠いので嫌いという話。

私は嫌いなゲームでも全く合わないゲームでもない限りやめるという事ができません。

それどころか早く終わらせたくて、逆に一生懸命やりすぎてしまうくらい。

本当に楽しいゲームほど、1日のプレイ時間は短く味わってやるのですが、まあつまるところ病気ってことですね。